Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. NEW CAR
  3. ホンダスタイル編集長の愛車に、ホンダアクセス『S2000 20th Anniversary』スポーツサスを装着してみた

ホンダスタイル編集長の愛車に、ホンダアクセス『S2000 20th Anniversary』スポーツサスを装着してみた

ホンダ車の純正アクセサリーを開発・販売するホンダアクセスが、S2000の生誕20周年を記念してリリースした『20th Anniversary』シリーズ。S2000オーナーにとっては、まさに待望の製品であることは間違いない。実際に2016年式S2000を所有する僕(ホンダスタイル編集長さばし)も、販売開始とともに多くのパーツをオーダーしました。

ホンダスタイル編集長の愛車に、ホンダアクセス『S2000 20th Anniversary』オーディオリッドを装着してみた

なかでも注目していたのは、500セット限定発売となったスポーツサスペンション。というのも、現在の愛車であるS2000には、S2000の新車販売当時にラインナップされていた”初代”Moduloサスペンションを装着し、約10年も愛用しているからです。

装着してからの走行距離は約10万1000キロですが、正直なところヘタリやヌケを体感することはありません。ただ、現代の交通事情に合わせてリセッティングされたという”2代目”の仕上がり具合が非常に気になっていたため、発売開始と同時にオーダー。2020年夏に納品となったため、さっそく装着してみました。

S2000 20th Anniversaryスポーツサスペンション。フロントのみ5段階の減衰力調整機構を備える。残念ながらすでに完売となってしまった

S2000といえばホンダの誇るピュアスポーツカー。それだけにワインディングやサーキット走行を楽しむオーナーも多く、アフターパーツメーカーから車高調整式サスペンションも豊富にリリースされています。しかし初期モデルの生産から20年、最終モデルからも10年以上が経過した現在、S2000の「リフレッシュ」傾向はますます強まっているといえます。

しかし補修部品としての純正サスペンションはすでに入手しやすい状況ではなく、あってもアフターパーツの車高調サスと価格は同等かそれ以上。なかなか積極的には選びにくいです。

そんななかホンダアクセスが発売した『20thアニバーサリー』スポーツサスペンションは、これからチューニングを楽しみたいオーナーだけでなく、すでに愛車の脚まわりを交換しているオーナーにとっても、リフレッシュ用途として注目のアイテム。純正製品ならではの高い製品クオリティを備えつつ、スポーティな走りや、程よいローダウンが楽しめるからです。

フロントのみ5段階の減衰力調整機構が備わる点は、従来のModuloスポーツサスペンションと同じ。ただしベースセッティングは見直されている

ホンダアクセスのスポーツブランドである、Modulo(モデューロ)が掲げるコンセプトは『四輪で舵を切る』というもの。タイヤグリップに頼るのではなく、4輪をしっかりと路面に接地させ4輪それぞれに仕事をしてもらう。ワインディングでの高いハンドリング性能はもちろん、市街地走行における乗り心地の良さや、高速道路における高い直進安定性などを両立させたオールマイティ性が魅力です。

S2000の新車販売当時にもModuloスポーツサスペンションはラインナップされていましたが、今回の『20th Anniversary』では、2020年のタイヤ事情に合わせて仕様を完全リニューアル。具体的な数値は発表されていませんが、全体的に減衰力を高めているとのこと。フロントに5段階の減衰力調整機構、リアは減衰力固定式となるのは従来と同じです。

標準サスと同様にリアはタンク別体式。ダンパー本体はホワイト、スプリングはレッドで塗装されるのも従来Moduloサスと変わらない

『20th Anniversary』スポーツサスペンションを購入した、三重県・鈴鹿市の「HCMスポーツガレージ」にて装着作業を行い、まずは約10年/10万1000キロを走破した初代Moduloサスを取り外し、今回の新型サスと並べてみます。

当然ながら左が約10年間使用した従来のModuloサスペンション。形状はまったく同じだ

当たり前ですが寸法や外観はまったく同じ。唯一異なるのは、リアサスのアーム側取り付け部の内側がブラック塗装となっているのが『20th Anniversary』の識別点です。装着していた初代Moduloサスはだいぶ汚れてしまっていたので、きちんと洗って乾かし、保管しておきます。いずれ新旧Moduloサスの乗り比べ企画もやってみたいですね。

標準サスと比べ、約10mmのローダウンとなるのは従来Moduloサス、新型Moduloサスともに同じ。スタイリング的にもちょうどいいバランスか。もちろん前後とも一般的な車両止めは問題なくクリアする

はたして初代モデューロサスのしなやかな動きは継承されているのか、強い興味を持って交換装着作業を終えた愛車に乗り込みました。

まずはフロントの5段階減衰力調整機構を持つフロントを「3」にして市街地を走り出す。ステアリング操作に対する応答性や、段差を乗り越えた際に「いなす」感覚は、まちがいなくModuloのそれ。しかし下ろしたての新品だからか、いなす際の振動がどこか硬い。カドが丸いのではなく、硬質さを感じます。

トランクスポイラーはModuloの当時品、エキゾーストは無限を装着

そこで減衰力を「2」に落として走ってみると、これがジャストフィット。先ほどまでのしなやかさに加え、車体の前後の動きがバランスし、まさに車両全体がひとつのラインになって曲がっていく。運転しながら思わず「コレこそModuloだよね」と独り言を言っていました。

今回は時間的な制約があって、まだ「4」または「5」での走りを味わえていない。これから秋の走行会シーズンを迎えますが、ワインディングあるいはサーキットで、新世代Moduloサスの持つスポーティ性能を味わってみようと思います。

残念なのは、この『20th Anniversary』サスペンションは500セットの限定販売であり、すでにホンダアクセスでは完売。ホンダカーズほか各ショップの店舗在庫分のみとなっているところです。中古車市場に流通しているS2000のなかには、脚まわりのリフレッシュをすれば見違えるように走る車両も多いと思うだけに、リフレッシュ需要としてのニーズはむしろこれから高まっていくと思うんだけどなぁ…。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)

サスペンションと同時に入荷し装着したのは、2000個限定で販売されたオーディオリッド。販売開始からすぐに完売となってしまった人気商品で、装着後は車内の雰囲気をガラリと変えてくれる

『S2000 20th Anniversary』紹介サイト
https://www.honda.co.jp/ACCESS/s2000-20th/