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【現地レポート】インディカー第12&13戦インディアナポリス、ダブルヘッダー・レースはチーム・ペンスキー勢が2連勝

2020年10月2日〜3日、インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースにおいてハーベストグランプリが行われた。

このレースは当初のレースカレンダーには存在していなかったが、新型コロナウィルスによる感染拡大によりキャンセルされるレースが続出すると判明した時点で追加されたもの。そして、9月に開催予定だった西海岸のレース2戦がキャンセルされたことで、ミッドオハイオでのホンダ・インディ200と、このハーベストグランプリはダブルヘッダー・レースとなった。

7月に開催されたGMRグランプリ、そして8月のインディ500に続いて今シーズン3回めのインディカー・シリーズ開催となったインディアナポリスは、秋田市と同じぐらいの緯度となるため、10月はもうしっかり秋の気配。レース1は摂氏15度、レース2は17度が最高気温という、とても寒いコンディションで行われた。

7月のGMRグランプリ、8月に移されたインディ500、どちらも無観客だったインディアナポリスだが、今回は1日最大10,000人がスタンドで感染してもよいことになった。当然、お互いにソーシャルディスタンスを取って。

寒い中でもレースは熱く、ファンを大喜びさせた。レース1では若干20歳のオランダ人ルーキー、リナス・ビーケイ選手(エド・カーペンター・レーシング)がキャリア初のポールポジションを獲得した。

キャリア初となるポールポジションを獲得したリナス・ビーケイ選手

全長2.439マイルのコースを85周して争われる決勝では、同じく20歳のアメリカ人ドライバー、コルトン・ハータ選手(アンドレッティ・ハーディング・スタインブレナー・オートスポート)と序盤に激しいトップ争いを見せた。

最終的に優勝したのはポイントスタンディグで2番手につけているジョセフ・ニューガーデン選手(チーム・ペンスキー)。2位は今シーズンまだ優勝のないアレクサンダー・ロッシ選手(アンドレッティ・オートスポート)だった。

ビーケイ選手は一度順位を下げたものの、終盤に巻き返して3位フィニッシュして初表彰台をゲット。ハータ選手はタイヤを酷使して終盤に後退しながらも4位でゴールした。

レース2はレース1より10周少ない75周。こちらはウィル・パワー選手(チーム・ペンスキー)がポールポジションから2回のピットストップの間もトップを明け渡さない完全優勝を達成した。レース2もフルコースコーションが一切出ず、スタートからゴールまでが全開バトルとなったが、パワー選手はペースをコントロールできるほどマシンの仕上がりが良く、余裕の勝利を飾った。

パワー選手のポールは今回が通算61回目で、インディカー史上最多のマリオ・アンドレッティによる67回にまた一歩近づいた。優勝39回はアル・アンサーJr.と並ぶ歴代5位タイだ。終盤に猛チャージを見せ、0.8秒届かずの2位でゴールしたのは、前日に悔しい思いをしたハータ選手だった。

レース1では4位、レース2では2位と活躍を見せたコルトン・ハータ選手

レース1での失敗に学んだ彼はタイヤをうまく使っていたが、わずかに及ばず。それでも、先輩チームメイトのロッシ選手をパスしての2位表彰台は素晴らしい結果だ。そのロッシ選手は3位に入り、4戦連続の表彰台となった。最終戦では是非とも勝ちたいところだろう。

レース2でニューガーデン選手は4位。ポイントリーダーのスコット・ディクソン選手(チップ・ガナッシ・レーシング)は、レース1が9位、レース2が8位とミッドオハイオの2連続10位に続いて低調な週末となってしまった。

ランキングトップで最終戦を迎えるスコット・ディクソン選手

第8戦ゲイトウェイ(レース1)までで築いた差が大きかったことで、ディクソン選手は依然シリーズランキングはトップ。32点のリードを持って最終戦に向かうことになった。セントピーターズバーグで9位以上でフィニッシュできれば、彼は6回目のチャンピオン獲得となる。

シボレーがダブルヘッダーで連勝。優勝回数はホンダ7勝、シボレー6勝。マニュファクチャラーチャンピオンシップは、3年連続チャンピオンを狙うホンダが一歩リードしている。

佐藤琢磨選手(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)はレース1の予選でコースアウトし、最後尾に近い予選24位(今回はスポット参戦が多く、25台が出走)。決勝レースでは6つポジションを上げて18位となった。

レース2も予選結果が17位と苦しく、決勝は14位でチェッカー。今年のインディ500ウィナーである彼は、シリーズランキング7番手につけている。

(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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