2020年NTTインディカー・シリーズ第2戦、佐藤琢磨選手は一時最後尾となるも怒涛のオーバーテイクショーを披露!
2020年7月4日、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースでインディカー・シリーズ第2戦の決勝レースが行われ、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのNo.30 パナソニック/ワン・キュア・ダラーラ・ホンダを駆る佐藤琢磨選手は17番手スタートながら10位フィニッシュというレースを見せた。
前日に行われた予選の後、佐藤琢磨選手のマシンはエンジンに問題があったことが判明。メカニックの懸命な作業もあり決勝レースまでには調子を取り戻したが、今度はサスペンション関連パーツにトラブルが発生し、17番手スタートながら24位までポジションを下げてしまう。
そこでチームは、当初予定していた2ストップ作戦を断念。11周目に早くも最初のピット作業を行った。ピットアウト時には最後尾の26番手まで順位を落としてしまった佐藤琢磨選手だったが、第2スティントではコース上でオーバーテイクを連発し、2回目のピットストップを行うまでに8番手へと浮上する。
しかし、ここでイエローコーションが提示されてピットがクローズとなってしまう。そのためピットが解放されたあとの36周目、燃料タンクに2/3ほど給油するスプラッシュ&ゴーを行い、続く38周目にもう1度ピットストップを行って燃料を満タンにした。
その後、佐藤琢磨選手はスタート順位を上回る16番手まで順位を回復すると、スティント中盤には数周をかけてザック・ヴィーチをパス。53周目にはさらに追い上げを開始し、56周目までに6台を追い抜いた。最後のピットストップを行った琢磨選手は14番手でコースに戻ると、ジャック・ハーヴェイ、スペンサー・ピゴット、ザック・ヴィーチ、ダリーをパスし、10位でチェッカーフラッグを受けた。
優勝したのは、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)。佐藤琢磨選手のチームメイトであるグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が2位となった。次戦の第3戦は、7月11日にロードアメリカで開催される。
佐藤琢磨選手コメント
「まず、チームメイトのグレアムに心からおめでとうと申し上げます。昨晩、彼はとてつもない仕事をこなしました。優勝したいとグレアムが思っていたことは知っていますが、2位も素晴らしい成績です。いっぽう、僕のレースは困難なものでした。昨日はパワートレインに問題が見つかり、ストレートで0.2秒の遅れをとっていることが判明しました。この遅れが予選に与える影響は非常に大きく、このため後方からスタートすることになりました」
「今日は、おそらく1周目にサスペンションのトラブルが起きたようです。直後にピットに戻ったのは、このためでした。その後、ピットストップが必要になったときにイエローが出たため、最終的にスプラッシュ&ゴーをしなければいけませんでした。思いどおりにいかないレースでしたが、結果的に26番手から挽回して10位でフィニッシュできたことはよかったと思います」
「マシンにダメージを受けていましたが、チームは素晴らしい仕事をしてくれました。また、グレアムが目を見張るような働きぶりを示したのは間違いなく、その意味ではチーム全体が前進しているので、来週のレースがとても楽しみです」
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)