インディカー・シリーズ取材の現場を公開! 取材道具でいっぱいの機内持ち込み用バックパックを見せちゃいます
今年のNTTインディカー・シリーズは全17戦。9月22日に最終戦のラグナセカを迎えるけれど、その間はテストも含めてアメリカ全土(とカナダ)を転戦する。取材するメディア側の荷物も大きいものになるけれど、時代の進歩とともに取材道具の中身も変わってきた。そこで今回は、ふだんの取材で持ち歩いているバックパックの中身をお見せしちゃいましょう!
上の写真が、いつもバックパックに詰め込んでいる取材道具一式。ひとつひとつ解説していきますね。
左上から右へ順にいくと、まずはレポーター用ビブ(IndyCar発給)、インディカーメディアガイド2019年版、iPad、マウスパッドとコンピュータ用電源アダプター&コード、MacBook Pro。そしてダイアリーと取材用メモ帳、風邪薬、下痢止め、鍵、インディカー年間パス、クレデンシャル用ケース。
2段目がキーボード、パスポート、デンタルフロスと歯間ブラシ、ボールペンとペンケース、電源用延長コード、通信用ケーブル、セロテープ、電子機器充電用ケーブルx2、SIM交換ツール、電子機器のコネクションコード類、エコバッグ、バックパック純正レインカバー、ガムテープ黒&銀、ビデオカメラ用ケーブル、のどぬーるスプレイ、オロナイン、目薬、GAORAマイクロフォン、Gショック、TSAロックx2、名刺入れ、ヘアブラシ、カード入れ、Magic Mouse。
続いてiPhoneとiPad用電源コード、ポケットテイッシュ、除菌ウェットテッシュ、折りたたみサングラス、ハヅキルーペ、メガネ、サングラス、GAORAイヤフォン、iPhoneイヤフォンx2(丸ジャック/ライトニングジャック)、ブルートゥースイヤフォンx2。
そして左下からモバイルバッテリー、電源用ミツマタ、iPhone7、iPhone6S Plus、iPhone用マイクロフォン、ビデオカメラ、動画撮影用iPhoneハンドル、ビデオ用バッテリー、ビデオ用バッテリーチャージャー、単三・単四チャージャー、エネループ単三x2、エネループ単四x4、小銭入れ(アメリカ用)、25セント硬貨(洗濯/通行料用)、小銭入れ(日本円)、正露丸糖衣とペットボトルホルダー、香りクマ。
ずらっとこれだけのモノが、バックパックに入っています。
レースの取材を続けて来ている間に一番進歩したのは、やっぱり電話でしょう。原稿を書いて日本に送信する、メールで仕事先や家族とやり取りをする、ネットを見る…という用途なら、もうラップトップPCを持ち運ぶ必要はなくて、電話で事足りちゃう。そういう時代。
ただし電話じゃ画面が小さすぎて、長文を書くには不便。それで今でも私はラップトップを使ってます。メインがラップトップで、バックアップにタブレット。両方壊れてもまだ電話があるという体制です。
いちどの出張で3週間はザラ、長い時は2ヶ月遠征したままなので、トラブル発生には何重もの備えが必要。Wi-Fiがどこでも利用可能な今のような状況になるまでは、いつもコンピュータを2台持ち歩いてました。ケーブルレスのiPadに頼るのは不安でね。
それが今では、もう有線の方が珍しいご時世に。それでも念のためにと、私はケーブルを1本カバンに入れています。もうかなり長いこと出番ナシだけど、家に置いてくる勇気はまだ持てない。臆病過ぎかな?
インタビューの録音は、カセットテープに始まって、マイクロカセット、ICレコーダー、MDレコーダー、マイクロSDカードの入れられるレコーダーと使ってきた。それが今では、iPhoneでも可能になった。何年だか前までは、iPhoneで録音される音声が小さすぎた。
それでマイクロフォンを使い始めたが、ジャックがコンベンショナルな丸いものから”ライトニング”ってのになって、それに差し込めるマイクは1万円ぐらいと高価だった。最新のiPhoneだと、マイクなしで十分に聞き取れる音が録れる。私は今もiPhone7を使い続けているので、アフロヘアみたいな風つきマイクを、バックアップとして装備したままだ。
原稿の仕事に加えて、テレビのレポーターもさせて頂くようになって、もう結構な時間が経った。ピットからライブ放送……なんてこともスマートフォンでできちゃう時代だ。
テレビ放送で重要なのは、電波の強さ。サーキットは田舎にあることが多いし、レポートするタイミング=レースのスタート直前とゴール直後は、サーキットに観戦に来ているファンの多くも電話を使う時間帯なので繋がりが悪くなる。そこでベライゾン、Tモバイル、スプリントの3社の電波を受信できるよう、電話は3台を持ち歩いている。放送は一番強くて安定した電波で行っている……というワケです。
スマートフォンはカメラとしても優秀。最近のは本当にクォリティの高い写真が撮影できる。時速200マイル(約320キロ!)で疾走するインディカーのアクションショットを撮れるレベルにはまだ届いてないけど、そうなる日も実は近いのかもね。
ビデオはコンパクトなのを選んだけど、今やコンピュータに並ぶ大物になっちゃってる。これはGoProのカメラかiPhoneに入れ換えることが可能。ただ、小さい機器だと取材対象のモチベーションが上がらなかったり、真面目に対応してくれないケースがあるので、ビデオカメラにマイクをケーブル繋いで……というパターンは今後もしばらく維持されそう。
中に入る道具が変われば、その入れ物=カバンに対する要求も違ってくる。これまでにかなり色々なバッグにトライして来たけれど、この2〜3年はアメリカ製のバックパックが不動の存在。衝撃吸収素材がふんだんに使われたフォトグラファー用で、サイズと収納力が今の自分にピッタリなんです。これが小さめの飛行機にも持ち込めるギリギリのサイズでもあるしね。
外側の薄いコンパートメントには、パッディングされたスロットが2つある。大きめのラップトップPCとタブレットを入れた後でも、インディカーの分厚いメディアガイドと雑誌が2〜3冊入る。上の方にある小さなポケット群には鍵や予備のペン、エアチケット、スナックなどなどを。サイドのドリンクホルダーには、コンパクトな折り畳み傘がスポッと入った。
背中側のメインコンパートメントは、縦に三分割するように衝撃吸収パッド(ベルクロ付き)で仕切った。写真でおわかりのように、かなりの点数がこのバックパックには収められているけれど、実はまだまだ改善が可能。各エクィップメントのケース、カバー類を減らせればスペースをもっと確保し、軽くもできる。
これだけぎっしりフルフルに詰め込んでると、空港の検査で引っかかることもある。iPhoneでビデオ撮影する時用のホルダー(ハンドル?)が用途不明で武器っぽく見えるらしく、最近は「これは何だ?」と続けて聞かれたことがあった。
(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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