アメリカはスポーツ大国! ゴルフもこんなに手軽にプレイできるのだ
NTTインディカー・シリーズ第14戦はオーバルコースのポコノだったので、雨天の場合は翌月曜日に延期となる。そのため不測の事態に備え、次のレースに向けた移動は月曜の夜にセットした。日曜の昼間にレースが順延……となっても、飛行機に間に合うように、だ。
そして実際に雨が降り、レースは200周の予定が128周へと短縮された。しかしスタート直後に赤旗中断があったので、予定通りに日曜のうちに終わりはしたものの、仕事を終えてコースを出発できたのは夜中の23時過ぎ。州境を越え、ニュージャージー州ニューアークの空港に近いホテルにチェックインすると、もう夜中の1時を回っていた。
この晩、実は空港近くまで行く必要はなかったんだよね。予約してた飛行機は夜の9時頃の出発だったんだから。でも、一緒に行動する予定のレポーターが月曜早朝の便で家に帰る可能性が考えられたから、シャトルバスのあるホテルにした。だけど結局はその彼が来ないことになって、その時点でホテルの予約をポコノの近くに変えとくべきだった。
まぁ、あれこれ言っても後の祭り。ホテルの予約変更を怠ったせいで、レース直後に走る距離は長くなったし、ホテル代も高かった。しかも、正午にチェックアウトしてから飛行機に乗るまで大量の時間がある……という事態を招いた。
日中のフライトに変えてもらうという手もあったが、空席がないとか、交渉が成立しなかった場合には延々と空港で待たなきゃならない……ということで、空港近辺で暇つぶしを探すことにした。6時間もあるからゴルフだって可能だったが、超・暑かったし、疲れてたしで、そんな気になれなかった。
ランチしてお茶をしても、まだまだ時間があり余っちゃってたので、後学のために……と空港の近くのゴルフ場をネットでリサーチ。すると”アメリカで最も古いパブリックコース”なんてものを見つけたので、出かけて行ってみることにした。空港から数マイルの近さというのも、フライトに遅刻する心配をしないで良いからありがたかった。
ウィーカヒックゴルフコース。行ってみると、入り口のサインとかに趣があった。池のほとりの公園に隣接したコースで、芝生は青々としていて、メインテナンスは良さ気だった。飾りっ気ゼロのクラブハウスに入ると、まずホットドッグや飲み物を売る店があって、その奥がコースの受付と用具を売るショップ。
そこにいた係の女性はとてもフレンドリーで「今日はプレーできないけど、料金体系とかを教えてください」と告げると、あれこれと丁寧に説明してくれた。歴史も由緒もあるコースは、このエリアの自治体の所有になっているそうで、とにかくプレーフィーが格安なので驚いた。
カート利用なしで歩きの場合(池の端でフラットな地形らしい)、平日は18ホール回っても35ドル(4000円以下)。週末でも45ドル(5000円以下!)。トゥワイライト=午後遅めのスタートは平日でも週末でも26ドルで、カートに乗りたい人は、これらにプラス18ドル。ニューヨーク近郊でこの値段とは!
また、このコースが年中オープンだというのにもビックリ。ニューヨーク界隈といえば、冬の間は気温が楽々氷点下になるのに……。そんなコンディションでどれだけの人がプレーしに来るんだろう? それなりに来るから営業してるってことなんだろうけど。
暇つぶしを完了して空港へ行くと、自分の飛行機は中継点のアトランタが悪天候のため1時間以上の遅延。セントルイス行きに乗り継げないことと判明。天候が理由の遅れなので、エアラインはホテル代を払ってくれない。ニューアークに残って翌日に飛ぶ案もオファーされたけど、次の日も乗り継ぎに手間取ったら頭に来るし、乗り継ぐと荷物がなくなる可能性も高まるから、アトランタまで移動しとくことにした。
そこからは、チェックインカウンターの前でラップトップコンピュータを広げ、最初にセントルイスのホテルを1日遅いチェックアウトへと変更。次に、アトランタの空港近くのホテル予約に取り掛かった。すると、当日の予約はホテルのオフィシャルサイトでは不可能となってたから、ちょっとしたテクニックを思いつき、それをトライしたら大成功! 無事にこの日の寝床を確保できた。
あとはアトランタ行きがちゃんと飛んでくれることを祈るばかり。幸いにも搭乗ができ、悪天候が続いていたために到着がズレ込んだものの、アトランタに到着。ホテルにチェックインできたのは二晩続けて夜中の1時過ぎとなったけど、確実に前進できたので良しとしなければ。
結局、ホテルに滞在したのは5時間だけ。翌日の朝6時に空港行きのシャトルに乗って、セントルイス行きが定刻に出発。ほぼ予定の通り、朝の9時過ぎに着陸した。半日弱の到着遅れでもレンタカーの予約は生きていて、今回はシボレー・マリブを借り出した。
セントルイスはミズーリ州だが、レースは州境を越えてすぐのイリノイ州マディソンでの開催。一人旅だし、大都市のナイトライフにも特に興味はないんで、泊まり先はイリノイ州に入って、ちょっと南下した田舎町にとってある。翌水曜日の昼過ぎ、ホテル近くのゴルフ場へ。
ニュージャージーより安いのは当たり前といえば当たり前だけど、カートに乗っての18ホールで20ドルポッキリ! 安過ぎる! コースはそんな破格のお値段とは思えないコンディションの良さ。これなら、また来たいなぁ。
(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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