【動画】チームメイト同士のガチンコバトル！ インディカー・シリーズの醍醐味が詰まった第13戦ミッドオハイオ
インディカー・シリーズ第13戦、Hondaインディ200アット・ミッドオハイオは、ホンダエンジン・ユーザーが表彰台を独占！ アメリカホンダの地元グランプリともいえるレースで、多くのファンの期待に応えた。
優勝を飾ったのは、スコット・ディクソン（チップ・ガナッシ）。チームメートのフェリックス・ローゼンクビストが2位、ライアン・ハンターレイ（アンドレッティ・オートスポート）が3位。みごとに1-2-3フィニッシュを飾った。
レースは、全長2.258マイルのコースを90周して争われた。予選8番手だったディクソンは、2回のピットストップで走りきる2ストップ作戦を採用。予選上位からスタートするライバルたちが、1回目のピットストップまでをソフトコンパウンドのレッドタイヤで走る作戦としたのに対し、ディクソンとローゼンクビストのチップ・ガナッシ勢はハードコンパウンドのブラックタイヤを選んだ。
この作戦が見事にあたり、ローゼンクビストはトップ、ディクソンは2番手まで順位を上げる。レース中盤、ローゼンクビストは早めに2回目のピットストップに入ってブラックタイヤにスイッチし、さらにもう1回のストップを行う作戦に変更した。
それに対してディクソンは、1回目のピットストップで装着したレッドタイヤでの走りがライバル勢を圧倒するもので、ソフトコンパウンドであるにも関わらず、燃料をフルに使っての30周を走ってもほとんどペースダウンがなかった。
チームメイト同士の激しいバトルを制し、スコット・ディクソンが今季２勝目をあげる
大量リードを築いたディクソンは、ゴールまでの残り31周もソフトコンパウンドのレッドタイヤをチョイス。そして後方からはチームメートのローゼンクビストが迫ってくる。両者にチームオーダーはなく、優勝を目指して激しいバトルを展開する。
ローゼンクビストはファイナルラップのターン2でアタックを仕掛けるもディクソンが凌ぎきり、0.0934秒という僅差で今シーズン2度目の優勝を飾った。キャリア通算46勝目はインディカー・シリーズで歴代3位の勝利数となった。
予選17番手からスタートした佐藤琢磨選手（レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング）は、序盤から積極的にアタックしポジションを上げるも、他車との接触でタイヤがパンクしてコースオフを喫してしまう。
この際に給油口に砂などが入り、ピットストップ時に燃料が満タンにできないトラブル発生。想定していたピットストップタイミングとズレが生じてしまい、チェッカーフラッグ直前に給油を行う必要が生まれ、19位でのゴールとなった。
優勝したスコット・ディクソンと2位のフェリックス・ローゼンクビスト（左）そして3位のライアン・ハンターレイ（右）
チップ・ガナッシにとっては今シーズン初の1-2フィニッシュ。ライアン・ハンターレイが3位に入ったことで、第3戦アラバマに続いてホンダエンジン・ユーザーが表彰台を独占した。
オハイオ州にはメアリーズビル工場をはじめ多くの生産拠点があり、ホンダにとってアメリカにおける第二のホームといえる場所。それだけに今年も約1万人のアソシエート（従業員）が応援のためサーキットを訪れており、ホームグランプリで嬉しい勝利となった。
（text：Kentaro SABASHI 佐橋健太郎）