シカゴ・ショーでアキュラNSXのデビュー30周年を祝う
2019年2月7日、イリノイ州シカゴで開催されたシカゴ・オートショーの会場において、NSXのデビュー30周年を祝うイベントが行われた。
シカゴ・オートショーは、1989年2月9日に初代NSXの原型となるコンセプトモデル「NS-Xコンセプト」がワールドデビューを果たした場所だ。
それから30年の時を経て、2019年のシカゴ・オートショーではアキュラ・ブースのステージ中央に最新型の2019年型NSXと初期量産モデルの91年型のNSXが並んだ。どちらの車両も、ボディカラーは30年前に発表されたNS-Xコンセプトと同じソリッドレッドである。
まず登壇したのは、自身もパイクスピークで新型NSXをドライブした、アメリカンホンダの広報担当であるセイジ・マリー氏。続いて、アメリカンホンダのアキュラ部門でジェネラルマネージャーを務めるジョン・イケダ氏と、著名ジャーナリストのチェーレ・チャバ氏を壇上に招いた。
「NSXは量産モデルとして初めてアルミ製モノコックボディを採用しました。新型NSXはハイブリッドのパワーユニットを搭載するなど、時代の最先端の技術を取り入れたモデルです」とジョン・イケダ氏が口火を切る。
すると30年前のNS-Xコンセプトの発表会場に居合わせたチェーレ氏は当時を振り返り、「日本車初のスーパーカーの登場に興奮したよ。低いルーフラインとボディと一体化したリアウィング。最高のスタイリングの車が、信頼性の高い日本のメーカーから発売されるというのだからね!」と発表時の興奮を語った。
セイジ氏、ジョン氏、チェーレ氏の3人はその後も壇上で熱いトークを繰り広げ、30年前にシカゴショーに登場したNS-Xコンセプトのエンジンは3リッターV6のSOHCだったが、バックステージで当時の本田技研工業社長・久米是志氏が「もっとパワーが必要だ」と語っていたこと、その後の市販モデルでは、同じ3リッターV6ながらVTEC機構を備えたDOHCエンジンに変更されたこと、そのためコンセプトモデルからボディのリアが伸ばされたことなどの開発エピソードが語られた。
その後、世界中から集まった詰めかけたメディアとともにシャンパングラスを高らかに掲げ、NSXのデビュー30周年を祝った。
(photo&text:Kenny Nakajima ケニー中嶋)