【Daytona24】NSX GT3 Evoの初陣は、GTDクラス予選1&3位で見通し良好!?
アメリカン・モータースポーツ・シーンの幕開けを告げるレースといえば、「ロレックス・デイトナ24時間」だ。毎年1月下旬にフロリダ州デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われるこのレースは、ル・マン24時間やスパ24時間と並び、世界三大耐久レースと言われる伝統のイベントだ。
その「ロレックス・デイトナ24時間」の決勝レースに先駆けて、1月4〜5日の両日に”ロア・ビフォア・ロレックス24″と題した公式テストが行われた。イベントタイトルには公式テストと掲げられているものの、走行結果によってスタートのグリッド順が決定する予選でもあり、各チームともドライバーやスタッフの表情は真剣そのもの。
さらに昨年からは、このテストでの走行タイム上位から、決勝レースでのピット場所を選べる権利が与えられるとあって、決勝レースさながらの張り詰めた空気のなかで走行が行われた。
今年のデイトナ24時間にはDPiクラスにアキュラARX-05、GTDクラスにアキュラNSX GT3 Evoがエントリーしているが、日本のファンにとって興味が集まるのは、このレースがデビュー戦となるNSX GT3 Evoだろう。FIAによるGT3規格のレーシングカーとして2017年に誕生したNSX GT3は、2018年より日本のSUPER GT・GT300クラスにも参戦した。
そのNSX GT3は2019年モデルとして初のアップデートを遂げてNSX GT3 Evoへと進化し、このデイトナ24時間がデビューレースとなる。また現時点では2019年のSUPER GT参戦概要が判明していないが、ウワサでは参戦台数が増えるという話もある。同じくSUPER GTにも参戦しているランボルギーニ・ウラカンGT3、アウディR8 LM3 GT3、メルセデスAMG GT3、レクサスRC F GT3といったライバルたちに、進化したNSX GT3 Evoはどう挑むのか。
メイヤー・シャンク・レーシングからエントリーした57号車と86号車、2台のNSX GT3 Evoのうち、注目が集まったのは57号車だ。NSX GT3の開発に長らく関わっているキャサリン・レッグを中心に、インディカー・シリーズ参戦経験もあるシモーナ・デ・シルベストロやアナ・ベアトリスらが加わり、女性ドライバー4名がデイトナ24時間に挑む。
その57号車は、全22台のGT3マシンが参加したGTDクラスにおいて予選2番手のタイムを記録。僚友の86号車も4番手と好調さをアピールした。しかし全セッション終了後に、クラストップタイムを計測していたメルセデスAMG GT3がペナルティによりグリッド降格となったため、57号車NSX GT3 EvoがGTDクラス1位となった。
IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの開幕戦となる『ロレックス・デイトナ24時間耐久』は、1月26日-27日に決勝レースが開催される。GTDクラスにおけるNSX GT3 Evoの活躍、そして57号車を駆る女性ドライバーズ・チームの躍動に期待したい。
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2019 NSX GT3 Evo
SPECIFICATION
□全長×全幅:4612×2040mm
□ホイールベース:2630mm
□トレッド(F/R):1715/1687mm
□車両重量:1240kg
□エンジン形式:V型6気筒DOHCツインターボ
□総排気量:3501cc
□ボア×ストローク:91.0×90.0mm
□変速機:XTRAC製6速シーケンシャル
□サスペンション型式(F/R):ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
□ショックアブソーバー:SACHS製5wayアジャスタブルダンパー
□ブレーキ(F):ブレンボ製6ポッドキャリパー+390×34mmローター
□ブレーキ(R):ブレンボ製4ポッドキャリパー+355×32mmローター
□ホイールサイズ(F/R):18×12/18×13
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(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)