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今年も販売絶好調のN-BOXを生産する鈴鹿製作所に潜入!

現在、日本一売れているN-BOXの生産を担当するのは、鈴鹿製作所である。2018年の累計販売台数22.5万台(11月時点/月平均2万台超)を販売しており、2018年最も売れたクルマとなるN-BOX。前年累計20万台を大きく超え、まさに絶好調といった具合だ。その生産を支えているのが、三重県にあるホンダの鈴鹿製作所である。

ホンダにとって国内3番目の製造拠点として1960年に設立された鈴鹿製作所は、もともとは2輪の製造拠点としてあった。が、1989年の2輪を熊本工場への移管もあり、現在4輪小型車工場として、軽・スモールカーの生産をリードしてきている。敷地内に、製造組み立てラインとエンジン工場が一緒にあるという、ホンダの拠点としては唯一の珍しい生産拠点でもある。

その鈴鹿製作所で進められているのが、「SKI(鈴鹿・軽・革新)」と名付けられたプロジェクトだ。これは、営業・開発・調達・生産・品質といった一台のクルマを製作するにあたっての機能を鈴鹿に集めて、魅力ある商品を即時に出す、というやり方を展開している。

生産現場の近くでSALES(営業)、ENGINEERING(製作)、DEVELOPMENT(開発)、BUYING(購買)が一体となるこの方式で作られたN-BOXが現在好調な販売数を伸ばしており、ホンダでは、このSKI方式を、今後海外へ水平展開していくようである。

この鈴鹿製作所では、このSKIプロジェクトの一環として、製造設備を2017年8月に2代目N-BOXの製造立ち上がりに合わせたリニューアルを行っている。溶接工場は軽量化と新技術展開、組み立て工場では工数削減展開という進化を遂げたわけだが、今回その鈴鹿製作所の一部、溶接工場、そして組立工場、さらにエンジン組立工場の3か所がメディアに公開された。


実際に工場の中に入ると、溶接の工程では、2000か所におよぶ溶接作業がロボットで正確に行なわれており、組立ラインでも、フロントウインドウやタイヤなどの重量物の取り付け、そしてシートのように車内の狭い箇所に傷をつけずに組み込むといった難易度の高い作業もロボットが担当しており、その生産規模を鑑みると驚くほど人が少ない、というのが実感できる。

もちろんすべてが自動化されているわけではなく、CVTとエンジンのドッキングの工程など、ロボットが不得手な部分や熟練の技が必要な部分は、職人の手によって行われていた。

またドアパネルの装備を組み付けるサブラインなどでは人による組付けとなるのだが、ここでもピッキング作業のガイドを導入したり、組み付けにも専用台車を活用するなど、より負担の少ない作業環境が構築されている。

作業負担の軽減と労働環境改善により、これまで以上に人にやさしい工場となっている。SKIが具現化し、これが好調な販売を誇るN-BOXを支えている、というのがよくわかる生産現場であった。

(text:Yoshiaki AOYAMA 青山義明)