3代目インサイトは上級ハイブリッドセダンで登場!
車格アップした3代目インサイトは2018年内に日本市場にデビュー
高効率1.5リッターエンジンと2モーターハイブリッドを組み合わせる
クルマの電動化が世界中の自動車メーカーにとって重要なテーマとなっている。ホンダは3種類のハイブリッドシステムを幅広く設定、プラグインハイブリッドや燃料電池車も市販するなど電動化をリードする存在だが、その原点といえるのが1999年に誕生したハイブリッド専用車「インサイト」。その伝説の名前がまもなく復活する。
すでに北米市場では販売が開始されているため、ご存知だろうが2018年内に日本での発表・発売が始まるという3代目インサイトは、オーソドックスなセダンボディとなる。ボディサイズは全長4675mm、全幅1820mm、全高1410mm。ボディサイズからシビックの兄貴分というポジションに変わっているという説明も納得だ。
アコードツアラーやステップワゴンのLPL(商品開発責任者)を経て、3代目インサイトでもLPLを務める堀川克己さんによれば「クルマとしての本質を追求した」という。グランドコンセプトは『グリーン・プライム・セダン』、ホンダ・ハイブリッドカーの技術的な象徴ともいえるインサイトという名前にふさわしい上質なセダンを目指した。
その日本仕様との初対面では、まさしく正統派のセダンパッケージであることが確認できた。全高はシビックより低く、クーペライクなルーフラインを持つが、前後席ともゆったりと座れるパッケージを実現している。なお、パッケージ面でのユニークなポイントはセンターコンソール内に12Vバッテリーを収めていることで、これによりノーズを間延びさせることなく、エレガントなシルエットにつなげている。
また、助手席前のインパネ部分に大きなソフトパッドを配したほか、刀身をモチーフにした日本専用フロントグリルを与えるなどラグジュアリー感も高めている。ステアリングのスイッチ類が新意匠となっているのも新世代感を強めている。
ホンダのラインナップにおけるポジショニングとしては、車格(価格?)的にシビックとアコードの中間に位置するということだが、その狙いは内外装の仕上がりからも理解できる。駆動用バッテリーを後席下にレイアウトしたことで、トランクスルーを実現するなど実用性も考慮しているのは、ハイブリッドでの経験が豊富なホンダのアドバンテージを示している。
ハイブリッドカーの象徴であるインサイトの復活となれば、パワートレインの先進性も気になるところだ。歴代のインサイトはモーターアシスト型のIMAハイブリッドシステムだったが、新型ではついに「スポーツハイブリッドi-MMD」となった。それもステップワゴンやオデッセイのi-MMDが2.0リッターエンジンとの組み合わせになっているのに対して、1.5リッターi-VTECエンジンと組み合わせている。
エンジンやモーターのスペックは異なるが、基本的にはクラリティPHEVと同等のユニットを使っているといっていい。バッテリーサイズが異なるためエンジンを始動しないEV走行の領域はクラリティPHEVに比べて狭くなっているだろうが、エンジン自体の最大熱効率は40.5%と同等である。いまだ日本におけるモード燃費などは未発表だが、世界的に見ても最高レベルのハイブリッドに仕上がっていることは容易に想像できるところだ。
ところで、新型インサイトのメディア向けプレビューの会場には、切削のシルバーも鮮やかな18インチアルミホイール(標準モデルは16/17インチの設定)を履いたホンダアクセスのアクセサリー装着車も飾られていた。ブラックの艶が印象的なロアスカートによって前後左右のボトムラインを引き締めた、その姿にはインサイトのスタイリングが持つ可能性を感じずにはいられない。2019年のカスタムシーンにおいても注目のモデルとなりそうだ。
(photo&text:Shinya YAMAMOTO 山本晋也)