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【まき日記】「おめでとう」は言わない!! 悔しい4位

ホンダスタイルwebをご覧の皆さん、こんにちは!
2018 Moduloスマイルの安藤麻貴です。

今回は、9月15-16日にスポーツランドSUGOで行われた、SUPER GT第6戦をレポートします! スポーツランドSUGOといえば、魔物が棲むと言われるほどに毎回ハプニングが起こることで有名なサーキット。そんなSUGOでは初走行となる、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3が今回はとっても魅せるレースをしてくれました!!

まずは土曜の予選日。この日はあいにくの雨予報で、朝からウェット宣言が出されていました。GT300クラスの予選は、A/Bと2組に分けられてのアタック。スポーツランドSUGOはコース1周の距離が短く、GT300の28台ものマシンが一気に走るとクリアラップが取りにくいため、今回は試験的にA/B組み分け方式が導入されました。

Q1はA/B組それぞれの上位7位まで、計14台がQ2に進出できるルール。34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は、Q1を大津弘樹選手が担当して見事に4番手のタイムをマーク。道上選手へとバトンを繋ぎました。そしてQ2では道上選手のアタックにより、11番手となりました。

後から聞いたところ、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3では初めて走るスポーツランドSUGOで、マシンのセッティングにはやはり苦戦していたようす。オーバーステア傾向になったマシンはステアリングも切りにくく扱いにくかったそうです。

サスペンションを極限まで硬くしてみたり試行錯誤していたと聞いた通り、確かに見た目にも分かるくらいマシンがぴょんぴょんと跳ねていました。そんな中でも予選Q2に進出できたのは、ドライバーさんのドライビングテクニックのお陰ですね。

そして日曜の決勝。事前の天気予報では雨予報でしたが、予想外の晴天で気温もぐんぐんと上昇しました。

決勝は11番手から、スタートドライバーは道上選手です。レース前半はとても落ち着いていて『今年はマモノは出ないのかなー』なんて話題に上がるほど。

じつは今回、決勝レース中に私たちがいたお部屋にもチーム無線を用意してくださっていたので、無線を聞きながら決勝レースを見ていました。するとレース中盤に差し掛かるころ、道上選手とチームとの間でタイヤ交換に関するやりとりがあったのです。

スポーツランドSUGOは右回りのコースで、つまりほとんどが右コーナーとなるため、左側のタイヤの磨耗が激しくなります。なのでピットインの際、『左側2本交換』という作戦を選択するチームも多くいるほど。しかし、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は、S字の左コーナーで他のマシンに離されてしまうくらい、右側のタイヤも消耗してしたようで……。

これまでのレース、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は『リアタイヤのみ2本交換』という作戦をチョイスすることが多くありました。SUPER GTでは、ピット作業でタイヤ交換できるメカニックは2人だけ。タイヤを4本交換するということは、そのぶん時間も掛かります。

34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は少しでもピットの作業時間を短縮するため、ライバルが4本交換を行う場面でも、2本のみ交換してピットアウトする場面が多くありましたが、今回の道上選手は『タイヤ4本交換』を選択。この決断が、後々にレースを左右する結果となりました。

33周目、大津選手にドライバーチェンジし、打ち合わせどおりタイヤは前後とも新品へ交換。そのため19番手まで順位を落としてコースへ復帰するも、好調の大津選手はぐんぐん追い上げていきます! 途中、抜きつ抜かれつのバトルを展開しながら11番手に…。

というところでついにマモノが発動! GT300の他車がクラッシュ、マシン回収のためセーフティカー(SC)が入ってしまいました。このSCの導入により、これまであった他マシンとの差はぐぐっと短縮。もちろん前のマシンだけでなく、後方に対するリードも失われてしまったわけですが、残り7周で再スタートすると、大津選手は次々とオーバーテイクショーを披露。

毎周1台ずつオーバーテイクし、モニターを見守る私たちも、コントロールラインを通過するたびに”8位だ!””7位だ!!”と大興奮。大津選手、完全にゾーンに入っていました!!

↑SUPER GTの公式映像。34号車Modulo KENWOOD NSX GT3のオンボードです。

5番手を走行していたラスト1周。最終コーナーを過ぎたところで、目の前で3位争いしていた2台の後ろにピッタリと付き、スリップを生かしてストレートで一気に加速。スリーワイドに持ち込み最後の最後で4番手に浮上しチェッカー!

あの瞬間は本当に鳥肌ものでした! 3番手のマシンとは、なんと0.057秒差しかありませんでした。一瞬のドラマに見惚れて余韻に浸っていた私たち、パルクフェルメにドライバーさんをお迎えに行くという任務をすっかり忘れてしまい、このあと慌ててコースに走って行きました。(大津選手ごめんなさい!笑)

チーム全体が今あるポテンシャルを存分に発揮した4位だ!と言って喜ぶムードのなか、ひとり悔しそうな大津選手の姿を見て、開幕前のカラーリング発表会で”表彰台を目指す”と宣言していた姿を思い出しました。

常に上を目指している大津選手。いちファンとして、これからが楽しみなドライバーさんだな、と改めて思いました。(少し上から目線になっていたらすみません汗)

底知れないポテンシャルと無限大の伸びしろを持ち、毎回魅せてくれるスーパールーキー・大津弘樹選手に、今後もぜひ注目してくださいね!

ここで余談をひとつ。じつは大津選手の無線は聞き取りにくい!?というのが、チーム内ではよくイジられているのですが(笑)今回初めて、私たちもちゃんとチーム無線を聞かせてもらうことができました。

一度順位を落とし、”わー当たった! あわわわわ!”と聴こえてきたときは、控え室でも”クラッシュ!? どーした!?”と心配していたのですが、少し経ったら”もう大丈夫です!”と一言(笑) この瞬間、ピットで修理キットを用意していたメカニックさんたちもガクーッとなったそうです。

レース後、そんな話を楽しそうに教えてくださった道上選手は、本当に大津選手を大切に思っているんだな〜と、師弟愛を感じました。

次戦・第7戦は、10月20-21日に大分県のオートポリスで開催されます。標高の高い場所にあるオートポリスは、ターボ車のNSX GT3にとって有利(と言われています)。コースレイアウト的にもスポーツランドSUGOとも似ている部分があるため、今回の良い流れをそのまま繋いでいけたら、表彰台も狙えるかも…!?

しかし第7戦は、各チームともウェイトハンデが半分になるので油断はできません。というか戦々恐々です。今年のSUPER GTもいよいよ残りは2戦、いったいどんなドラマが生まれるのか、今から楽しみです。

皆さんもぜひ現地に応援に来てくださいね! お得な前売りチケットは、10/9まで発売中です。

その第7戦に先駆けて、10/8-9にツインリンクもてぎで行われる公式テストでも、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3が走ります! 最終戦もてぎの前売りチケットを持っていれば無料で入場できて(駐車料金は必要になります)、パドック解放やオープンピットなど、レースの時より比較的ゆったりとマシンを間近に見ることができます。

10月8日(月)は祝日なので、お時間がある方はぜひ34号車Modulo KENWOOD NSX GT3に会いに行ってください! 詳しくはツインリンクもてぎのHPへ。

それではシーズンの最後まで、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3の応援よろしくお願いします!

2018 Moduloスマイル 安藤麻貴
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