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ポートランドで佐藤琢磨選手が通算3勝目を挙げる

2018年9月2日、オレゴン州ポートランドにてインディカー・シリーズ第16戦が行われ、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのNo.30 MIジャック・パナソニック・ダラーラ・ホンダに乗る佐藤琢磨選手が、みごとに今季初優勝を飾った。佐藤琢磨選手の優勝は、2013年のロングビーチGP、2017年のインディ500に続く通算3勝目となる。

アメリカン・トップフォーミュラとしては久しぶりの開催となったポートランド。予選20位からスタートした佐藤琢磨選手は、スタート直後に発生した多重クラッシュから逃れると、コーション中にピットレーンがオープンになったタイミングを見計らって燃料を継ぎ足し、16番手でコースに復帰。

このおかげでピットストップのタイミングをずらすことができ、39周目にタイヤ交換と燃料補給を行なうためにピットインする直前には2番手まで浮上した。

ピット作業後は17番手でコースに復帰すると、2ストップ戦略もしくは3ストップ戦略を選んだドライバーたちよりも速いペースで周回。コーションが提示されて多くのドライバーがピットストップを行なった45周目には10番手へと駒を進める。

47周目にはシャヴェスを抜いて9番手に浮上。やがて3ストップ戦略のドライバーたちがピットストップを開始。琢磨選手が7番手を走行していると再びコーションとなるが、上位陣がピットストップするなか、コース上に留まった琢磨は2番手へと順位を上げた。

やがて71周目にトップに立つと、76周目に最後のピットストップを実施。2番手でコースに復帰したが、トップを走っていたマックス・チルトンはもう1度ピットストップを行なわなければならず、この時点で実質的なトップとなる。

その後まもなくイエローが提示されると、81周目にレースは再開。85周目にチルトンがピットインしてトップに浮上した琢磨は、追いすがるライアン・ハンター-レイを0.6084秒差で振り切った。105周のレースを走りきり、チームに26度目の栄冠をもたらした。


佐藤琢磨選手コメント
「レース戦略は完璧、マシンも完璧で、ピットストップはファンタスティックのひと言でした。文句のつけどころがないレースです。僕のミラーにはずっとライアン・ハンター-レイが映っていました。手にしているプッシュ・トゥ・パスは彼のほうが多く、必ず僕に襲いかかってくると思っていましたが、冷静に対処できました」

「ここ数週間は難しいレースが続きましたが、特にセントルイスは苦しい戦いとなりました。これまで僕たちは燃料給油の戦略に工夫を凝らしたものの、成功しませんでした。ただし、今回はこれが非常にうまくいきました。イエローのタイミングにも助けられましたが、それ以上に大切だったのは、マシンが速かったことです。ポートランドのファンが熱狂している様を見てください。僕のキャリアのなかでも、今日はもっとも思い出深い日のひとつになりました」

「昨日の予選がうまくいかなかったため、僕たちは20番手からスタートしましたが、おかげでかえって自由な視点で戦略を練ることができました。ホンダ、パナソニック、そのほかスポンサーの皆さん、チームのメンバー、そしてボビー、マイク、デイヴの3人に心からお礼を申し上げます」

シリーズ最終戦となる次戦は9月16日にソノマで開催される。

(text:Honda Style magazine)