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今年もホンダ社内チームがパイクスピークへ挑戦!

北米ホンダは、R&Dに勤務するメンバーを中心とした社内チームで過去5年パイクスピークへ参戦を続けているが、今回6年目のパイクスピーク挑戦も、ジェームズ・ロビンソン選手そしてニック・ロビンソン選手のロビンソン・ブラザーズを中心に、今年も4台体制で参戦をする。

パイクスピークはアメリカ・コロラド州にある標高4302mを誇る山で、ここを舞台に1916年から開催されているヒルクライムレースが「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」である。156のコーナーを持つ全長20kmのコースは、標高2862mの地点から4302mのゴール地点までその標高差は約1500m、ゴール付近では酸素が薄く、エンジンの出力は約30%低下するといわれている。

ホンダ社内チームの中心となるジェームス選手は、オハイオ州在住でホンダR&Dに務めるホンダマン。この社内チームでの参戦を前に、2012年からパイクスピーク参戦をスタート。ずっとNA1型NSXを使用してきたが、新型NSXの登場を機に、2016年から、車両を新型に代えて参戦を続けている。

今回は、これまでよりもさらに軽量化を進めており、より大きくなったリアウィングと新デザインのフロントリップスポイラーを採用し、エアロダイナミクス性能を向上。さらには、ターボチャージャーを大容量化。ECUにも手を入れ、頂上でも600馬力を発揮するという。ほかにはデュアルクラッチの大容量化も施している。

タイヤは純正のF:255/R:305サイズから、F:305/R:325へとサイズアップしたピレリタイヤを装着。ジェームス選手は、タイムアタック1部門の代替燃料ハイブリッド車クラスでの10分03秒433(2017年)という記録を持っているが、これを打ち破るのが目標だ。

そんなジェームス選手の兄、ニック選手はもともとバイクでパイクスピークに参戦していたが、新型NSXの開発に携わったこともあって、2016年にはNSXで参戦をし、その後はTLXに集中している。

こちらも大きくエアロを変更してきたが、それはジェームス選手のNSXと同じコンセプトで作られている。ECUも同じくセッティング変更を行い、さらにリアブレーキを大径化するなど、こちらも昨年よりも細かく調整を煮詰めてきた。また、タイヤもレギュレーション変更に合わせてスリックタイヤを履くこととなった。

昨年のタイムが11分3秒(トランスミッショントラブルで途中4速が無くなったこともあり)だったが、現在2016年に走らせたストック状態のNSXと同じくらいのタイムが出ているから、と10分40秒は狙えるとしている。

そして今回、新たに登場したばかりの新型RDXが参戦。このRDXのステアリングを握るのが、ホンダR&Dで操安ステアリング担当のジョーダン・ギター選手(31歳)だ。ジョーダン選手は、2008年からシビックSiで参戦をスタート以来、これまでアメリカンラリーで参戦を続けてきて、2016年にはフィット・スペックBでナショナルチャンピオンも獲得している。レーススタート時はジェームス選手のコ・ドライバーを担当していたこともあって、今回、ジェームス選手の推薦でこのRDXに乗ることとなった。

車両はノーマルのRDXの2Lターボに、48Vマイルドハイブリッド化、Eターボ装着といったチューニングを施しており、ノーマルよりも50馬力アップ、という。ジョーダン選手も「乗っていて楽しいクルマだ」と評価している。ターゲットタイムは12分45秒だという。

ほかにも、ピレリワールドチャレンジに出場しているTLX GTを持ち込んでいるピーター・カニンガム選手(昨年パイクスピークオープンクラスで9分33秒797のレコードタイムを持つ)が引き続き参戦する。

また、ジョーダン選手のRDXとは別に、オフィシャルペースカーとして新型RDXが採用されている。このペースカーを含め、アキュラのすべての車両には、アキュラのヘッドデザイナーのデイブ・メリック氏がデザインした統一したカラーリングが施されている。

(photo&text:Yoshiaki AOYAMA 青山義明)