【GT300】第3戦鈴鹿の予選はコースレコード連発!
5月は国内モータースポーツが目白押し。SUPER GTも5月は第2戦と第3戦が開催されるなど、ファンにとっては忙しくも嬉しい月という感じでしょうか。そしてチームやドライバーにとっても、第2戦の富士から約2週間という短い準備期間で第3戦を迎えるということで、かなり多忙な日々となったようです。
鈴鹿サーキットでのSUPER GTといえば、昨年までは夏の終わりを彩る耐久レース『鈴鹿1000km』が多くのファンに愛されましたが、今年は開催時期も新緑の5月下旬へと変更、レース距離も300kmのスプリントとして開催されました。
34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は、第2戦にてNSX GT3にとって国内初となる公式ポイントを獲得。さらにチームのModulo Drago CORSEはZFアワードを受賞するなど好成績を挙げ、ムードは上々。
第2戦の前に行われた鈴鹿サーキットの公式テストでは好感触を得ていたこともあり、ホンダのホームである鈴鹿サーキットに、意気揚々と挑みました。
予選が行われた土曜日、早朝は雨に見舞われたものの、公式練習走行が始まる時間にはサーキットに日差しが戻り始めました。路面も徐々に乾いていき、予選のコースコンディションはドライ。しかし時折、立っているのも難しいほどの強風が吹くなかでのセッションとなりました。
そしてスーパーGT第3戦、最初のセッションで34号車Modulo KENWOOD NSX GT3のコックピットに乗り込んだのは道上 龍選手。セッションが開始されて間もなく、GT500車両のコースアウトにより一時赤旗中断となりましたが、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は順調に走行を進めました。
道上選手は、今回チームが持ち込んだミディアム、そしてミディアムハードという2種類のタイヤを交換しながら走行を重ね、マシンのセッティングを進めました。そして練習走行セッションが残り約40分となったところで4度目のピットイン。ドライバーは大津弘樹選手へと交代しました。
しかし大津選手のピットアウト直後、このセッション3度目となる赤旗が出され、セッションが再び一時中断となりました。GT500/GT300クラス混走のセッション時間が終了し、最後のGT300専有走行時間も引き続き大津選手がドライブ。最後の周回にてS1, S2, S3でベストタイムを出し、セッションが終了しました。
持ち込んだタイヤのなかでは、二人ともミディアムハードタイヤに好感触を感じたとのこと。決勝を見据えつつ、予選時のタイヤ選択にとても有効なデータを得ることができました。
いっぽうコース外では、サーキットに吹いた強風がテントを飛ばす恐れがあるほどだったため、レースクイーンステージなどいくつかのイベントが中止になってしまったのは残念でしたが、予選セッションは時間通りに開始されました。
34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は練習走行で好感触だったミディアムハードタイヤを装着し、大津弘樹選手がQ1突破という使命を託され走行を担当しました。
15分間の予選が開始となり、大津選手は周回3周目に1分57秒367を記録。従来のGT300コースレコードである1分57秒543を更新するタイムは、この時点で2番手となり、ピットには笑顔が溢れます。
しかしQ1終盤に他チームのクラッシュが発生し、予選は一時赤旗中断となります。34号車もアタック途中ではありましたがピットイン。そして残り時間が6分に延長されてQ1は再開。最終的には7番手でQ1を突破しました。
続くQ2は、Q1の赤旗の影響で約10分遅れで開始されました。Q2は道上選手がミディアムタイヤを装着し走行。好調だったミディアムハードタイヤに比べるとアンダーステアに悩まされ、思うようにタイムアップができません。
それでも道上選手は周回3周目にタイム1分57秒494を記録し、5番手へと躍り出ました。しかしGT300のトップは1分56秒台中盤までタイムを伸ばすなど、セッション後半にライバルチームが続々とラップタイムを更新し、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は11番手で予選Q2を終了しました。
決勝レースを見据えたタイヤ選択を行ったなかでの11番手は、決勝レースでのロングランに期待が持てる結果となりました。(その後、他マシンのベストタイム抹消により、10番グリッドへ繰り上げとなりました)
(text:Leah MIZUMURA 水村リア)