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インディ500前哨戦のインディGPはW.パワーが勝利

2018年のインディカー・シリーズ第5戦が、インディアナポリス・モータースーピードウェイのロードコース(全長2.439マイル)で行われ、2014年チャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が今シーズン初のポールポジション(PP)から、これも今シーズン初の優勝を飾った。ウィル・パワーにとってPPはキャリア5回目、優勝は33回目となった。

今季、驚異の走りを見せる#6 ロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がウィル・パワーを従えて走る

フルシーズン出場は今年が初めてだというのに、その開幕戦でPPを獲得した驚異のルーキー=ロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が、インディのロードコースでも予選2位と大活躍。レースではパワーを1回目のピットストップ後にパスしてトップを走った。

しかし、そのまま初勝利まで逃げ切ることはできなかった。次のピットストップの後にウィッケンズを抜き返したパワーは、レース終盤が燃費セーブも必要な展開になると経験の差を見せつけてリードを広げ、ゴールまで誰も寄せ付ずに走り切った。

ウィッケンズは燃費セーブで苦戦してスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)に2位の座を譲った。それでも、次にアタックして来たアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)には徹底抗戦して3位フィニッシュ。5レースでキャリア2回目の表彰台に上った彼の初勝利は近いはずだ。

開幕戦ではウィッケンズと接触したアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。両者はほぼ毎レースで激しいバトルを展開

反対にロッシはウィッケンズを抜き切れなかったバトルで燃料を多く使い過ぎ、ゴール目前にペースダウン。最終ラップにセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)にパスされての5位フィニッシュとなった。

予選11位だった佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は得意のスタートで一気に4台をパスしたが、激しいポジション争いで無理をしたスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)が縁石に乗り上げてジャンプ! 琢磨のマシンに着陸するカタチでヒットして来てコースサイドまで押し出され、最後尾手前の21番手まで後退した。

そこからの追い上げはなかなかうまく行かなかったが、終盤の燃費とスピードを両立させるバトルで実力を発揮。残り24周で切られたリスタート時より8つも上の、10位でゴールした。

今シーズン2回目のトップ10フィニッシュを果たし、シリーズランキングは14番手から13番手へひとつ上がった佐藤琢磨。次戦はいよいよ、彼が去年劇的な優勝を飾った世界最大のレース=インディアナポリス500である。

(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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