【TAS18】ホンダ歴代軽自動車をオマージュした「Re:Z」
ウッド調でまとめられたホンダアクセス・ブースの一角に展示された、どこかノスタルジックな印象を与えるスポーティクーペ。それが「Re:Z(アールイーゼット)だ。ベースとなっているのはCR-Zで、前後の造形を中心に大幅に手が加えられている。
Re:Zの車名ロゴは、軽自動車NシリーズのNをヨコに90度傾け「Z」として使用。ホンダZといえば、1970年に登場したスポーティタイプの軽自動車だが、N-ONE用丸目ヘッドライトを流用して初代Z風のフェイス周りを実現。さらに初代Zの愛称だった「水中メガネ」を再現すべく、当時エアロビジョンと呼ばれたテールゲートも現代風にアレンジして制作している。
大きく開くテールゲートは開口部こそ純正と変わらないが、ゲートだけでなくガラス部分だけでの開閉も可能になっている。リアバンパー形状は一新され、モビリオ・スパイクから流用した横一文字のテールレンズにより初代Zのイメージを再現。中央にはHONDAロゴも配された。
インテリアも外観以上に大きく造形を変えており、ブラックレザーにレッドステッチが配されたダッシュボードは、エアコンの送風口やステアリングなどのパーツも純正流用品を使用。メーターパネルに収まる計器類はノスタルジック調のアメリカ・オートメーター製を装着。サイドミラーも車両全体の雰囲気に合わせ、ヴィタローニ製を装着。ちゃんと可倒式となっているのがメーカークオリティだ。
シートはCR-Z純正ながら、ホンダ・モンキーのシート表皮と同じ素材を使用し、1970年代の車両に多く用いられたチェック柄シートを再現。電磁式パーキングブレーキのスイッチもインパネ右下に移設されている。出展時には、ダッシュボードに初代Zのミニカーも展示された。
自動車制作の世界では、カロッツェリア(イタリア語)あるいはコーチビルダー(英語)といったボディメイクを専門とする業者が存在するが、今回ホンダアクセスが出展した「Re:Z」は、有名なカロッツェリアのひとつであるザガートっぽいテイストも感じさせる1台だ。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)