【LA17】現代のアコード・ユーロR、Sport 2.0T初披露
アメリカ市場における「アコード」の存在は、日本でいうシビックのようなものか。ミドルサイズの4ドアセダンという、自動車マーケットのど真ん中であるだけでなく、1982年よりオハイオ州の現地工場で生産を開始した『自国生産車』でもあり、最新モデルには常に大きな注目が集まる。
現行モデルである10世代目のアコードは2017年7月に発表され、ボディ形状はセダン1本。先代よりボディは大型化されながらフロントオーバーハングは短縮。室内スペースを拡大して居住性が向上している。
そして今回のロサンゼルス・オートショーでも、ホンダブースの主役を張ったのはこのアコードだった。すでにハイブリッドと1.5Tは披露されていたが、新たに「2.0T」を発表。この2.0Tには3つのモデルが用意されるが、メインステージに飾られたモデルこそ、「アコード・スポーツ2.0T」である。
すでにレポートのとおり、新型アコードに設定される高性能グレード「2.0T」には、シビック・タイプR用エンジンと同形式の2リッター・ターボ、K20C型ユニットが搭載される。
タイプR用K20Cとは基本設計の多くを共有しつつ、細部はアコード専用となっており、レスポンスに優れた小型タービンや可変バルブタイミング、高精度の直接燃料噴射などの新技術を採用。最高出力252hp/6500rpm、最大トルク37.7kg-m/1500-4000rpmを誇る。
同じ北米仕様の新型シビック・タイプR用エンジンは最高出力306hpだから、54hpの差があるとはいえ、より大型の車体に合わせたセッティングが施され瞬発力を高めたと聞くと、その運動性能に期待せずにはいられない。
2.0Tは3グレード構成で、Sport/EX-L/Touringという3つの仕様をラインナップ。いずれもエンジンスペックは同じだが、トランスミッションは新開発の10速ATと、Sportのみ6速MTが用意される。
新型アコードは日本市場へも導入が予想されているが、残念ながら先代同様、ハイブリッドのみとなる可能性が高い。けれどフロントオーバーハングの少ないボディや、いかにも抵抗の少なそうな5ドア・ハッチバック風のリア周りなど、スポーツセダンとしての高い資質を感じさせるだけに、ぜひ日本国内でもアコード2.0T、それもSport 2.0Tの導入に期待したい。
(photo&text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)