【STEPWGN Modulo X #6】しなやかさと安定感が欧州テイスト(後編)
|
いっぽうハイスピード領域では、車体はピタリと安定してスパーッと直進する。速度が高くなればなるほど、4つのタイヤがしっかり路面を捕らえている印象が強くなっていく。もちろん脚の良さも大きな要素だけど、おそらく車体の下面に滑り込む空気の流れを上手く整えてスムーズに放出することでダウンフォースを稼ぎ出す、空力的なアレンジが効いてるからだろう。
フォルクスワーゲンのシャランやメルセデス・ベンツのVクラスといった欧州製ミニバンも高速走行時の安定性は抜群に素晴らしいが、充分にその領域に達していると思う。違うのはドイツ製の2車がドッシリとした重厚感を伴っているのに対し、ステップワゴン・モデューロXは常にしなやかな乗り心地を感じさせてくれることだ。
そう、ミニバンとして重視されるべき乗り心地が、スポーティにあつらえられたコンプリートカーだというのに、全く損なわれていないのだ。まるでシトロエンのグランC4ピカソや、ルノー・エスパスといったフランス車のようにしなやかなライド感があって、素晴らしく快適なのである。
このクルマなら欧州車やスポーツカーのテイストに慣れ親しんだ人でもすんなり納得しながら走れるだろうし、クルマを走らせることの気持ちよさを諦めたくない人でもそう不満なくドライブすることができるだろう。
僕は独り身だから本当のところは判らないけど、休日のお父さんは助手席や後席で気持ちよく居眠りする家族をしっかり運ぶ役割を果たさなきゃならないことが少なくないと聞く。そんなときも退屈することなくクルマを楽しめるのだとしたら、それって何より素晴らしいことだとは思えないだろうか?
前編はこちら!
(PHOTO:Keigo YAMAMOTO 山本佳吾/TEXT:Tomoyuki SHIMADA 嶋田智之)