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【リア’s レポート】SUPER GT Rd.8(もてぎ)予選

国内モータースポーツがそれぞれ最終戦を迎え、オフシーズンが目前に迫る11月。国内で屈指の人気を誇るSUPER GTも、いよいよツインリンクもてぎにて開催される最終戦を迎えました。今シーズンはGT500・GT300クラスどちらもチャンピオン決定が最終戦まで持ち越される混戦となり、さらにその差もごくわずか。注目必至のレースとなりました。

この最終戦には毎年本当に多くの観客が訪れますが、今年はさらに特別。2019年からレギュレーションなど統合を目指し動いているドイツのモータースポーツカテゴリー「DTM」の現役マシンが来日し、デモ走行を行うというイベントが開催される事もあり、今年は例年以上のファンがツインリンクもてぎに来場しました。

そして最終戦の「特別」は、#64 EPSON Modulo NSX-GTにも。SEIKO EPSONから発売された腕時計「TRUME」とのスペシャルコラボカラーリングで、今までのイメージである青と白から一転、黒と赤に身を包んだ64号車は、レースウィーク前からSNS上などでファンの注目度を集めました。

予選が行われる土曜日、宇都宮市内は小雨の朝を迎えました。気温は11月の栃木県らしく低めでしたが、土日ともセッション時間は晴れの予報。土曜朝の公式練習を迎える頃には、上空は雲に覆われながらもドライコンディションで走行がスタートしました。

まず#64 EPSON Modulo NSX-GTのステアリングを握ったのは、ベルトラン・バゲット選手。#100 RAYBRIG NSX-GTは山本尚貴選手。シリーズランキング上位で戦うチームが公式練習から好調さを見せるなか、開始20分ごろに山本選手がトップタイムを更新! その後も#100 RAYBRIG NSX-GTは上位をキープします。

GT500専有走行時間でも、#64 EPSON Modulo NSX-GTはバゲット選手が引き続きドライブ。#100 RAYBRIG NSX-GTは伊沢拓也選手へと交代しました。伊沢選手がセッション終盤にトップタイムを叩き出すも、終了直前にランキングトップの#37がタイムを更新。#64 EPSON Modulo NSX-GTはロングランの決勝レースを見据えたセッティングを行いました。

公式練習セッション後は、観客が待ちかねていたDTM車両によるデモランが開始。GT500から各メーカー1台ずつ、DTMの3車両による6台のコラボレーション走行がコース上で行われると、サーキットの盛り上がりは最高潮! 普段なかなか見られない海外のレースカーとSUPER GT車両とのコラボレーション走行に、ファンの期待は高まりました。

午後に行われたピットウォークでは照りつける日差しにが照りつけ、まずはGT300の予選がスタート。GT500の予選Q1は14時20分から行われました。Q1セッション序盤、いつものように各チームはピット待機。残り9分程になった時、#8 ARTA NSX-GTがピットアウトし、#64 EPSON Modulo NSX-GTと#100 RAYBRIG NSX-GTも続きました。

まずはQ2への進出を賭けたQ1、#64 EPSON Modulo NSX-GTはベルトラン・バゲット選手、#100 RAYBRIG NSX-GTは山本尚貴選手が担当。タイトル争いをする#23が最後までピットアウトを待ち、全車がコースイン。#64は惜しくも14番手にてQ1敗退となってしまいましたが、#100は8番手でQ2へ進出しました。

GT500のQ2へ進出したのは、NSX-GTが2台、LC500が3台、GT-Rが3台。オーバーテイクが難しいと言われるツインリンクもてぎだけに、予選順位は決勝レースの行方を大きく左右します。#100は伊沢拓也選手がアタックドライバー。セッション開始と同時に、#17 KEIHIN NSX-GTと共に真っ先にコースインしました。

Q1でも最後までコースインを待った#23はギリギリまで待機する作戦。その#23はチェッカー直前に最後にアタックを開始し、2番手に約0.8秒の差をつけるスーパーラップ! Moduloサポートチームの#100 RAYBRIG NSX-GTは8番手、#64 EPSON Modulo NSX-GTは14番手から決勝レースに挑みます。

決勝レースのロングランに向けて調整、ハードタイヤをチョイスして土曜日を走行したベルトラン・バゲット選手は、このように話してくれました。

「充分なテストをする事が出来なかったツインリンクもてぎで、持ち込みのタイヤに合わせたベストなセッティングを作ってくる事が出来ませんでしたが、ロングには自信があります。セッティングはもう少し煮詰める部分はありますが、明日のレースまでにチーム一丸となって問題を解決したいと思います」

鈴鹿1000kmの優勝から後半戦に好調ぶりを見せる#64 EPSON Modulo NSX-GTと、コンスタントにポイント獲得をし安定した速さを見せる#100 RAYBRIG NSX-GT。今シーズン、ホンダファンに沢山の感動と興奮を届けたのはこのチームだったに違いありません。ホンダのホームコースであるツインリンクもてぎで、一体どんなレースを見せてくれるのでしょうか。

2017 SUPER GT 第8戦(ツインリンクもてぎ)予選結果
1位 #23 MOTUL AUTECH GT-R 松田次生/R.クインタレッリ
2位 #6 WAKO’S 4CR LC500 大嶋和也/A.カルダレッリ
3位 #37 KeePer TOM’S LC500 平川亮/N.キャシディ
4位 #46 S Road CRAFTSPORTS GT-R 本山哲/千代勝正
5位 #24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 佐々木大樹/J.P.デ・オリベイラ
6位 #100 RAYBRIG NSX-GT 山本尚貴/伊沢拓也
8位 #17 KEIHIN NSX-GT 塚越広大/小暮卓史
12位 #8 ARTA NSX-GT 野尻智紀/小林崇志
13位 #16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤英紀/中嶋大祐
14位 #64 Epson Modulo NSX-GT ベルトラン・バゲット/松浦孝亮

(TEXT:Leah MIZUMURA 水村リア)