【S耐】#97 Modulo CIVIC TCR、今季最終戦を制す(2)
3時間の耐久レースも残すところ40分。最後のスティントを担当すべく、#97 Modulo CIVIC TCRのステアリングを握った伊藤選手。ピットストップ後にトップでレース復帰をするも、後続の#10 Racingline PERFORMANCE GOLF TCRとの差は10秒にまで縮まっていました。
しかし今シーズン、#97 Modulo CIVIC TCRのAドライバーとして活躍してきた伊藤選手は安定したペースでラップタイムを整え、レース終盤には30秒にまで広げ独走態勢でチェッカーフラッグを受けました。
振り返ってみれば、97号車は1位をほぼ明け渡すことなくライバルを一切寄せ付けない圧倒的な速さで最終戦をポール・トゥ・ウィン! シリーズランキングも2位を獲得しました。
いっぽう前日の予選にてクラッシュを喫し、ピットスタートとなった#98 Modulo CIVIC TCR。セーフティカー先導でのスタートとなったため、通常であれば隊列の一番後ろに着くまでに時間がかかってしまうところ、すぐに隊列に加われたことはラッキーでした。
セーフティカー解除後は好走を重ね、一時はクラス2位までポジションアップ。しかし、1時間を経過したころから暗雲が立ち込めてきました。1分51秒前後で周回を重ねていましたが、徐々にタイムが落ちてきて、折り返し地点の1時間30分を経過した頃には1分57秒台へとペースダウン。
原因はエンジントラブル。正確には補器類のトラブルによりブーストが上がらなくなり、パワーが失われてしまいます。ピットインしてメカニックの懸命な作業が続くも原因解決には至らず、残り10分となったところで完走を目指してピットアウト。残り10分をなんとか走り切り、9ポイントを獲得。そして初代シリーズチャンピオンに輝きました。
少しほろ苦いかたちでシーズンを締めくくることとなりましたが、全6戦で行われてきた今年のスーパー耐久シリーズのうち4戦で表彰台に上り、そのうち3戦はクラス優勝。勝率5割という素晴らしい結果を残した#98 Modulo CIVIC TCRにとって、チャンピオンというタイトルはふさわしいと思います。
伊藤真一選手
シーズン最後に再び勝つことができ、本当に嬉しいです。チームメイトやチームスタッフの皆さんに助けてもらい、本当に勉強になりました。年間ランキングもチームで1-2フィニッシュで締めくくることができて幸せな1年です。こんなに楽しいレースは他にないですよ! もし来年もチャンスがあれば絶対に参戦したいと思います。今シーズン応援ありがとうございました!
幸内秀憲選手
チームから『ペースが良いのでもう少し頑張って!』と言われましたが、あえて自分のラップタイムは聞かず、ペースを保つことに集中しました。でも、いつピットに入れてくれるのだろう?と思いながら走っていました(笑)。レジェンドドライバーの二人からは『地元なので任す!』と言われていたのでプレッシャーでしたが、今は無事つなぐことが出来て本当に安心しました。最終戦に優勝できて本当に良かったです!
中野信治選手
今年このような機会がなければ、幸内選手や伊藤選手と一緒に走るという事がなかったと思うと、本当に楽しいシーズンでした。今回も金曜日からチームが頑張ってくれている姿を見ました。その頑張りが今日の結果だと思っています。チームには本当に感謝しています。97号車が最終戦優勝し、98号車が年間タイトルを獲得という最高の終わりかたが出来て、とてもハッピーです!
(TEXT:Yuko ASHIZAWA 芦澤裕子)