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【リア’s レポート】SUPER GT Rd.4(SUGO)決勝

波乱と興奮の予選日から一夜明け、81周のバトルを午後に控えた決勝日の朝は雨。ファンサービスが行われるピットウォークの途中も雨が降ったり止んだり天気には恵まれなかった日曜日でしたが、多くのSUPER GTファンが「雨の菅生」という絶好の舞台で開催されるレースを見守りにサーキットに集結しました。

今シーズンのSUPER GTでは、これまで決勝日の午前中に行われていたフリー走行がなくなり、代わりに決勝レース直前に行われるウォームアップ走行が20分間に延長されるというレギュレーションに変更。それだけに高い緊張感のもと行われたなか、早くもGT500クラスの一台がコースアウトしセッション中断になるなど波乱を予感させました。

そして全車がスタートグリッドに並び、もちろんトップスリーにはホンダNSX-GTが並びます。しかしフォーメーションラップまでのカウントダウンが始まったまさにその瞬間、雨がコース上を濡らし始めます。#64 EPSON Modulo NSX-GT、そして#100 RAYBRIG NSX-GTを含むほとんどのチームが慌ただしく対応に追われるなか、直前の判断で準備されていたウェットタイヤへと交換が行われました。

 

雨はさらに強まるなか始まった決勝、スタート直後から1コーナーで激しいバトルが繰り広げられ、#64 EPSON Modulo NSX-GTのスタートドライバーであるベルトラン・バゲット選手は一気に5番手へ浮上。そして#100 山本尚貴選手はトップへとポジションアップに成功します。さらにウェットコンディションを得意とする#64 EPSON Modulo NSX-GTは周回を重ねるたびにポジションアップし、トップの100号車もトップを独走。しかしGT300車両のクラッシュによりセーフティカー(SC)が導入され、各車のタイム差がなくなり再スタートを切る事となりました。

再スタート後も#64 EPSON Modulo NSX-GTは、SUPER GTの醍醐味の一つである「GT300とGT500のトラフィック」を上手く使い、2番手までポジションアップ。するとレース中盤、先ほどまでコースを濡らしていた雨が上がり路面が乾き始め、各チームがピットインのタイミングと作戦の選択に迫られるタイミングで、再び車両クラッシュによる2度目のSCランとなりました。

 

SCラン解除の直後にピットインを選択せず、他車とのタイム差を稼ごうと選択した#64と#100でしたが、この作戦が結果的に裏目に出てしまいます。その後すぐに発生したアクシデントにより3度目のSCが導入され、#64と#100はすでにピット作業を終えていたライバルたちにラップダウンされてしまう形に。しかし後半のスティントを担当した#64 松浦選手、そして#100 伊沢選手は猛追撃を開始。#64 EPSON Modulo NSX-GTは今季初ポイントとなる8番手、#100 RAYBRIG NSX-GTは9番手でチェッカーを受けました。

菅生での週末は両車の調子の良さが見えていただけに、SCのタイミングや天候など「予測できない要因」に悩まされるレースとなりました。レース後の100号車の高橋総監督「マシンもドライバーも最高。それでも勝てない時もある。だからGTは面白い」という言葉どおり、速さだけは勝てない、運も勝つ要因の一つであるというSUPER GTの面白さであり難しさを感じる事となった第4戦。#64 EPSON Modulo NSX-GTは中嶋監督をはじめ、チームはダンロップ製ウェットタイヤの性能や、マシンとのマッチングにも手応えを十分に感じる事ができ、大きく前進した一戦となりました。

 

次戦からは早くもSUPER GT2017シリーズの後半戦に突入。富士スピードウェイで開催される真夏の第5戦となります。代表的な長いストレートとテクニカルセクションが特徴で、ゴールデンウィークに行われた第2戦とはまた異なる勢力図となりそう。チーム力の問われる一戦となります。Moduloサポートチーム、#64 EPSON Modulo NSX-GT、#100 RAYBRIG NSX-GT、そしてホンダ系チームすべてにとって後半戦の追い上げにふさわしいレースとなるよう、引き続き応援をよろしくお願いします!

2017 SUPER GT 第4戦(スポーツランドSUGO)決勝結果
1位 #1 DENSO KOBELCO SARD LC500 H.コバライネン/平手晃平
2位 #46 S Road CRAFTSPORTS GT-R 本山哲/千代勝正
3位 #6 WAKO’S 4CR LC500 大嶋和也/A.カルダレッリ
4位 #23 MOTUL AUTECH GT-R 松田次生/R.クインタレッリ
5位 #8 ARTA NSX-GT 野尻智紀/小林崇志
6位 #16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤英紀/中嶋大祐
8位 #64 Epson Modulo NSX-GT ベルトラン・バゲット/松浦孝亮
9位 #100 RAYBRIG NSX-GT 山本尚貴/伊沢拓也
DNF #17 KEIHIN NSX-GT 塚越広大/小暮卓史

(TEXT:Leah MIZUMURA 水村リア)