【S耐】決勝で強いModulo CIVIC TCR、2戦連続1-2!(2)
初夏を思わせる晴天のもとで行われた、スーパー耐久シリーズ第2戦SUGOの決勝レース。予選クラス3位(総合14位)からスタートした97号車は、スタートドライバーの伊藤真一選手が順調に周回を重ねていく。スタート直後こそ6周目にはST-2クラスの59号車を抜いて総合10位へ。前をいくライバル、45号車と19号車のアウディRS3を追撃体制に入る。
10周を過ぎるころにはグループ1で最速クラスとなるST-XがST-TCRクラスをも周回遅れとしていき、コース上は混線模様。そんななか97号車は44周目に最初のピットインを行い、伊藤真一選手から海老澤紳一選手にドライバーチェンジ。給油とフロントタイヤ2本のみ交換してコースへ復帰する。いっぽう98号車はスタートドライバーの石川京侍選手が約1時間29分のロングスティント。56周目にピットインし、同じく給油とフロントタイヤ2本を交換。ドライバーは黒澤琢弥選手へと交替した。
しかしレースも折り返しを過ぎ、98号車が67周目を走行中にアクシデントが発生。最終コーナーで旋回中だった98号車の内側に他車が入り込むかたちで両車は接触、98号車はコース外まで飛び出してしまう。グラベルに捕まってしまったかに思えたが、黒澤選手が落ち着いた動きで車両をコントロールしコースへ復帰。リアタイヤにもダメージを負ってしまったため、4輪すべてのタイヤを交換するためピットに入る。
97号車はペースよく周回を重ね、19号車を抑えてクラストップのまま74周目に最後のピットイン。海老澤選手から中野信治選手へと交替する。98号車は81周目にピットへ入り、最後のスティントを担当する加藤寛規選手がコースイン。97号車の後方にはライバルの19号車アウディRS3が迫り、その後方に98号車が追いかけるという展開ながら、97号車をドライブする中野信治選手はタイヤカスが大量に発生しているコースで好タイムを連発。いったんは約3秒に縮まった後続19号車との差を拡げていく。
さらに加藤寛規選手は、97号車を上回るペースで猛追を開始。103周目に19号車がタイヤを使い切ったことで緊急ピットインしたため、98号車が順位を上げてクラス1-2体制を確立。総合でも8位と9位につけ、夕暮れ迫るコースを疾走していく。その後もセーフティリードを保った97号車がクラストップでフィニッシュ。98号車がそれに続き、Modulo CIVIC TCRは2戦連続で1-2フィニッシュを達成した。
ST-TCRクラスではウェイトハンデ制が導入されており、1位は20kg、2位は10kgのウェイトを次レースで搭載しなければならない。今回の第2戦では97号車が+10kg、98号車は+20kgを搭載していたが、第3戦では両車ともに+30kgとなる。熟成が進むアウディRS3 LMSに加え、第3戦からはフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRが参戦予定。新たなライバルの出現に、ST-TCRクラスはますます盛り上がりそうだ。
スーパー耐久シリーズ第3戦(鈴鹿)は、2017年6月10〜11日に開催される。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)