【NOC13】いよいよレースデビュー!!(決勝編)
そして迎えた2017 N-ONEオーナーズカップ第2戦・決勝。レーシングドライバー・水村リアのデビューレースには、大勢のファンがピットを訪れてくれました。そのファンの声援も力に変えて、『#89ケンウッドモデューロN-ONE』がグリッドに向かいます。
決勝レースのスタートは13時40分。クルマは予選のときの仕様とまったく同じ、まずは「レースに慣れる」ことが最優先。そしてチャンスがあれば、ひとつでも前のクルマを抜いて帰ってきたい。
そしていよいよコースイン。約1周かけてクルマやタイヤのウォーミングアップをしつつ、メインストレート上のグリッドを目指します。グリッドは33番。つまり予選最後尾ですが、そのことはあまり問題じゃない。自分のグリッドの所定位置にきっちりとマシンを停め、いったんエンジンを停止します。
やがてスタート1分前が知らされると、エンジンをスタート。車体が動かないよう左足でブレーキをかけながら、右足でスロットルをアオります。スタートシグナルはF1と同じく、レッドランプが順次点灯の後に消灯するブラックアウト方式。左側からひとつずつレッドが灯り、ブラックアウト! 全33台のN-ONEが勢いよくスタートしていきます。
一般のドライバーよりかなりウェイトが軽い(!)水村リアちゃんだけに、抜群のスタートを決めることができれば、1コーナーまでの加速で前走車を抜くことも可能……と狙っていたけれど、やっぱり初レースは難しい。というのも周囲のクルマが思っていたよりもスタートシグナルの反応が早くなく、これに釣られて一瞬アクセルを「待って」しまったのです。
しかしそのおかげか、1コーナーでは混乱することもなくスムーズにクリア。前の集団のペースについていければ、チャンスはありそうだったのですが、2周目を終わるころから徐々に離される展開に。じつはコックピットでパドルシフトを操作してしまい、かえってタイムロスしてしまったとのこと。
CVTを搭載するN-ONEは、Dレンジの下に「S」というスポーツモードがあるのですが、このSモードでは高回転まで効率よく使い切って走ることが可能。そのためドライバーがパドルシフトを操作して変速するよりも、完全にマシン任せで走ったほうが、速く走ることができるそう(後から聞きました、スイマセン)
その後は完全に単独走行となってしまったけれど、難所で知られる90度コーナーも無難に走って無事にゴール。たった7周とはいえスタート進行も含めれば約30分以上の緊張から開放されたからか、ピットに戻ってきた水村リアちゃんの表情には安堵感が漂っていました。とはいえやっぱり、思うように走れない悔しさもあったみたいです。
「今回はデビューレースなので、目標というか心がけていたのは、まず周囲に迷惑をかけずに走りきること。そして自分的には、コースアウトせず無事に走ること。その2つは達成できたと思います。でも決勝では余計なこと(笑)をして、自分の予選タイムに大きく届かなかったことは悔しいです」
「普段もレースの現場には来ていますが、やっぱりコース上で体験することは新鮮なことばかりで、改めてレーシングドライバーを尊敬します。今後のModuloスマイルをはじめとする様々なお仕事で、きっと活かせると思います」
「そしてモータースポーツが成り立っているのは、オフィシャルを始めとする大勢の人たちのおかげだってことを大きく伝えたいです! チェッカーフラッグを受けてコースを周回しているとき、ポストにいるマーシャルの皆さんが手を振ってくれているんです。これがすごく嬉しくて。ちょっとウルッと来ながら私も振り返していました!」
決勝レースでは、途中マシントラブルで1台がリタイアしたため32位でフィニッシュ。リザルトを見れば、予選・決勝ともに最下位ではあるけれど、「参加型モータースポーツを楽しむ」という目標は大きく達成できたといえます。ナンバー付き車両で争われるN-ONEオーナーズカップは、サーキットまで自走で行き、レース後もそのまま自走で帰ることができる。
そのためまずはアクシデントを起こさないこと、巻き込まれないことがもっとも重要で、初レースながらテクニックだけじゃなく優れたドライビングマナーを披露したリアちゃんは、今後の活躍がますます期待できるといえそうです。
さてN-ONEオーナーズカップの次戦は第4戦(鈴鹿)となりますが、水村リアちゃんは仕事の関係で参戦できず。ピンチヒッターとして、なんと弊誌ホンダスタイル編集長・佐橋がステアリングを握らせていただきます(壊さないように気をつけます汗)
今後の水村リアちゃんは、5月5日に行われる第5戦(SUGO)そして翌週5月13日の第6戦(富士スピードウェイ)に参戦予定。ぜひサーキットに遊びにきて、89号車の「ケンウッドモデューロN-ONE」の水村リア選手を応援してください!!
(photo:Kiyoshi WADA 和田清志/text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)
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